レアル・マドリードが今夏、2億ユーロ(約240億円)の節約を目標に掲げているとスペイン紙アス電子版が4日に報じた。

今夏は全てのクラブが新型コロナウイルスの影響を財政面に受けており、ビッグクラブになるほどその被害が大きくなっている。その主な理由のひとつが無観客でリーグ戦が開催されているためで、どのクラブも金銭面で苦しい。今夏の移籍市場では莫大(ばくだい)な金額での移籍はほとんどないと推測されている。

ビッグクラブ間の移籍はここまで、ティモ・ウェルナー(ライプチヒ→チェルシー)、レロイ・サネ(マンチェスター・シティ→バイエルン・ミュンヘン)、アクラフ・ハキミ(Rマドリード→インテル・ミラノ。今季は期限付き移籍でドルトムントに在籍)があったが、どれも6000万ユーロ(約72億円)を超えるものはなく、昨夏に比べ非常に穏やかである。またバルセロナのアルトゥールとユベントスのピャニッチの移籍はその金額を上回っているがトレードに近い形になっている。

同紙はそのような状況の中、Rマドリードの首脳陣が今夏、2億ユーロ(約240億円)近い金額を節約することを目標に掲げていると伝えた。クラブは早くても10月までは観客収入を得ることができないと予測しているため、節約の方策について話し合い、すでに現在38選手抱えるメンバーの削減に着手している。

これによりすでに前述のアクラフ・ハキミの他、ハビ・サンチェスをバリャドリードに売却しているが、今後さらに多くのオペレーションが行われる可能性があるとアス紙は推測する。

その放出候補として現在、ジダンの戦力にほとんど入っていないギャレス・ベール、ハメス・ロドリゲス、ブラヒム・ディアス、マリアーノ・ディアスと、アーセナルに期限付き移籍中のダニ・セバージョスが挙がっている。これらの選手たちを放出した場合、移籍金の相場は下がっている一方、高額な年俸分を節約することができる。

チャンピオンズリーグが開催される8月まで続くイレギュラーなシーズンの中、Rマドリードがどのような動きを見せるかが今後注目となる。(高橋智行通信員)