今季マジョルカでプレーした日本代表MF久保建英(19)の去就について日々、多くのニュースが飛び交っており、セビリア入りが有力とも伝えられている。そんな中、レアル・ソシエダードが来季に向け、トップ下でプレーできる選手の補強を考えており、久保を候補に挙げているとスペイン紙アス電子版が28日に報じている。

久保は以前よりRソシエダード内で大のお気に入りの選手となっていたが、今季のマジョルカでの素晴らしいパフォーマンスがそれを後押しする形となり、期限付き移籍に向けて動いているとのことだ。

Rソシエダードは今季を評価し、メンバーの状況を分析するための最初のトップ会談を24日に実施した。その際、来季のチームの中盤を強化でき、来季もRソシエダードに残ることが決定的なウーデゴールがケガをした時や出場停止になった場合に代わりを務められるトップ下のポジションの選手が必要であることが明らかになったという。

なぜならウーデゴールは、今季抱えていた右膝の問題がどのように回復するのか、来季どれだけ良好な状態で参加できるかに疑問が持たれているためである。

またRソシエダードは来季、欧州リーグ出場権を獲得したために多くの試合を戦う必要があるという点でも、同ポジションの競争力を上げることのできる新たな選手が必要になっている。

そのオプションとして、近年急成長を遂げているBチームのロベルト・ロベスが候補に挙がるが、トップチームに昇格する前にさらなるステップアップが必要だと考えられているため、2部のクラブに貸し出される可能性がある。しかしその前に、8月14日に開始予定の来季に向けたプレシーズンに参加することになるとのことだ。

Rソシエダードにはまた、今夏のヨーロッパの市場で別の候補選手が何人もいるとのことだが、ウーデゴールと良く似た特徴を持つ久保を大いに気に入っているという。

Rソシエダードはすでに、保有権を持つレアル・マドリードと久保についての話し合いを行っており、入団に向けてオープンな状況ではあるとのこと。しかし、Rマドリードが来月再開するチャンピオンズリーグに集中しているため、ウーデゴールの残留と久保の期限付き移籍についての回答が出るのはまだ先のことになるとアス紙は伝えている。

来季、EU圏外枠の問題によりRマドリード復帰が非常に難しい久保には現在、Rソシエダードのようなレベルのスペインのクラブ、それよりも少し上のクラブ、また来季、欧州カップ戦に参加するヨーロッパのクラブとさまざまな選択肢があり、セビリア、ベティス、ヘタフェ、グラナダ、ビリャレアル、アヤックス、具体的な名前は出ていないがドイツのクラブなどの名が挙がっている。

そんな状況の中、Rソシエダードは中盤を強化できる有力候補として、久保に白羽の矢を立てているのである。(高橋智行通信員)