スペイン1部ヘタフェに期限付き移籍した日本代表MF久保建英(19)が18日、オンラインで行われた入団会見に出席した。ビリャレアルからプレーの場を移したことについて、出場機会を確保するためだったと説明した。11日のエルチェ戦ですでに新天地デビューを果たし、覚醒を予感させるプレーを披露。悔しさの残るビリャレアルでの日々も糧にし、シーズン後半戦への意欲を示した。

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日本の19歳はスペインメディアからの注目を集めた。矢継ぎ早に質問が飛び、久保は流ちょうなスペイン語で1つ1つ丁寧に答えた。「他にもオファーはあったが、最初から信頼を寄せてくれていた」とヘタフェに決めた理由を語った。会見はクラブの公式インスタグラムで配信され、500人近いサポーターが多くのコメントを寄せた。

スペイン2年目の今季はビリャレアルでスタート。現在リーグ4位と奮闘する中、久保はスペイン代表MFモレノらとの激しいポジション争いでプレー時間は限られ、チームの好調の波に乗りきれなかった。会見では「自分が選手であることを感じられることと、出場時間を必要としている。環境を変えた理由はそれ以外にはない」と、自らの言葉で移籍の意図を語った。

ボルダラス監督が率いるヘタフェは運動量と守備を柱にすることで知られている。ドリブルや技術が強みである自身が適応できる感触があるのか? と問われると「人生で最も好きなサッカーのために、足りないことはすべてやる。ヘタフェは相手にとって得点しづらいチームだが、そうあるためにハードワークしないといけない。チームを助けるためにできる限りのことをしたい」と、チームの勝利に徹することを誓った。

エルチェ戦では練習なしでの実戦で、いきなり2ゴールに絡んだ。「自信になる。仲間も助けてくれるし、快適に感じている」と好感触を得ている。今季ヘタフェは既にリーグ戦の21試合を残すのみ。次は数字に残る結果で、再び実力を知らしめる。(高橋智行通信員)