前半30分に両軍の選手たちがいったんピッチを離れる出来事が起きた。バレンシアDFムクタル・ディアカビ(24)が、相手FWカラと口論になって激高。バレンシアの選手、監督らがピッチを離れ、続いてカディスの選手もロッカー室に戻った。

試合後のディアカビの説明によると、同DFはカラから人種差別的な発言をされたという。ただディアカビが仲間に対しては試合に戻るように説得したため、約20分の中断の後、他のメンバーは試合を続行した(ディアカビは前半30分で交代)。

バレンシアは公式ツイッターで「チームはミーティングを開き、クラブの名誉のために試合を続行することを決めました。しかしいかなる人種差別も非難します」「我々はディアカビを絶対的に支持します。人種差別的侮辱を受けたディアカビは仲間にピッチに戻るように求めました。我々は君をサポートする、ムクタル」とつぶやいた。

ディアカビは試合の残りをスタンドから観戦。ヒメネス主審は試合後のリポートに「ディアカビが、カラから人種差別的発言を受けたと主張した。一方、カディスのセルベラ監督はカラから『侮辱はしていない』と確認した」と記した。

ESPN電子版によると、スペインリーグの試合が人種差別を受けたという主張によって中断するのは初めてのこと。バレンシアのガルシア監督は「ディアカビはひどい侮辱を受け、震えていた」と説明した。カディス側も試合後に声明を発表し、人種差別への反対などを訴えたが、カラについての直接的な言及はなかった。