久保建英(20)が東京オリンピック(五輪)に参加するU-24日本代表メンバーに選ばれたことを受け、スペイン紙アス電子版が祝福しつつ、現時点で不透明の来季の去就について推測している。

同紙によると、レアル・マドリードは来季、久保をメンバーに加えることを望んでいるとのことだが、「全てはアンチェロッティ監督次第」であるという。しかしさまざまな状況を考慮した場合、再び期限付き移籍に出すのがベストだとクラブが判断していることを伝えている。

なぜなら東京五輪出場により、7月5日から開始予定のアンチェロッティ監督指揮下のプレシーズンに実質的に参加できないことが、Rマドリードのメンバー入りを目指す久保にとって大きなハンディキャップとなるとみられているためである。

さらにEU圏外枠に空きがないという大きな問題もある。ブラジル国籍のビニシウスが昨年からスペイン国籍の取得申請をしており、今後、数カ月以内に許可が下りる可能性があるものの、現時点では同胞のミリトン、ロドリゴとともにEU圏外の3枠を埋めている。

しかし同紙は、Rマドリードの今夏の優先事項が選手売却および給与総額の削減であるため、久保に状況次第で大きなチャンスが訪れる可能性があるとしている。今夏の補強に関して、パリ・サンジェルマン所属のフランス代表FWキリアン・エムバペを獲得できる可能性が浮上した場合のみ本腰を入れ、それ以外については好条件で獲得できる選手がいない限りは大きく動くことなく、下部組織の選手でカバーすると分析している。

そのため、EU圏外枠の問題がクリアされる必要はあるものの、外部からの戦力の上積みがほとんどないと推測される来季、選手の放出状況次第で久保にRマドリードのメンバー入りの道が開かれる可能性があると同紙は伝えている。(高橋智行通信員)