バルセロナを退団し、フランス1部パリ・サンジェルマンと契約を結んだアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(34)が11日、本拠地パルク・デ・プランスで入団会見に臨んだ。背番号もバルサデビュー時の30に決定。「素晴らしい選手のそろった野心的なクラブ、パリ・サンジェルマンに加わることができて、本当にうれしい」と笑顔で新たな1歩を踏み出した。

<なぜバルサからパリへ>

メッシはバルセロナと新契約で合意したもののリーグの財務規定により認められず、5日に退団が発表されていた。ここで問題とされたのが、スペインリーグが導入している「サラリーキャップ制度」とみられる。このサラリーキャップ制とは、トップチームの予算は、年間収入から諸経費を差し引いた額以内に制限されるというもの。コロナ禍で、大幅に経営が悪化したバルサは、半減に納得したというメッシの年俸が重荷になった。

一方でパリSGも、無限にお金が使えるわけではない。欧州連盟(UEFA)は2014年にファイナンシャル・フェアプレー(FFP)を正式導入している。移籍金、人件費は制限され、違反すれば罰則がある。ただ、コロナ禍で多くのクラブが等しく大幅な経営的打撃を受けた現状では、有名無実化しているともいわれる。もともとパリSGはカタールの王族、ナセル・アルケライフィ会長の就任以降、カタールの政府系投資会社を通じクラブを実質的に経営しており、他のクラブとは経営的基盤、その手法が大きく違う。さらに、同会長はUEFAの幹部の1人でもある。