成績不振でスールシャール監督が解任され、コーチだったマイケル・キャリック暫定監督(40)が指揮を執るマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)が2-0でビリャレアル(スペイン)に快勝。1次リーグ1試合を残して決勝トーナメント進出(16強)を決めた。

0-0の後半33分にこぼれ球を拾ったFWクリスティアノ・ロナウドが右足ループシュートで先制点をマーク。さらに同45分には途中出場MFブルーノ・フェルナンデスのパスを受けたMFサンチョが、ゴールやや右から豪快に右足を振り抜いてチーム2点目をたたき込んだ。スペインで開催された欧州CLの試合でマンチェスターUが勝つのは、1-0で勝利した10年9月のバレンシア戦以来だった。

初采配で白星を飾ったキャリック暫定監督は試合後「勝つためにここに来た。勝てると信じていたし、準備ができていると信じていた。ここ2~3日はクラブのすべての人間にとって簡単ではなかったと思う。この結果はオーレ(スールシャール監督)のためのものだと感じている」と喜んだ。

チーム不振の要因として批判の矢面に立たされてきた主将のDFマグワイアも「シーズンを戦う上でとても大きな勝利だ。ここ2~3カ月、チームはまったく良いところがなかったし、ファンのためにも結果がほしかった。ここ数週間はファンもつらかっただろうから。後半の戦いぶりは本当に良かった。プランを遂行できたし、後半はより試合をコントロールできた」と話した。

クラブOBで解説者の元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏は「彼らには点を取る選手はいるが、無失点で抑えることが必要だった。この試合に余分な飾りは必要ではなく、規律、プランを持って臨むことがすべてだった。(そうすれば)前線に選手はいるのだから(勝利の)チャンスが生まれる」と、GKデヘア、DFマグワイアを中心とした守備陣を評価した。

同じくOBで元イングランド代表MFのポール・スコールズ氏も「ユナイテッドはこのように戦うだろうと分かっていた。このタイプのシステム、戦い方がキャリックがこだわっていくものなのだろう」と話した。