チェルシーのオーナーでロシア人実業家のロマン・アブラモビッチ氏(55)がクラブを売却しようとしていると英デーリーメール電子版が2日、報じた。

アブラモビッチ氏は30億ポンド(約4790億円)を最低ラインに売却を考えているという。

同電子版によると、アブラモビッチ氏は米国人の買い手を探しているものの、同氏とロシア・プーチン大統領との関係を嫌い、なかなか買い手がつかない可能性もあるという。

すでにチェルシー購入を持ち掛けられたという実業家も現れている。資産43億ポンド(約6860億円)のスイス人、ハンスユルグ・ビース氏(86)だ。ビース氏はスイスメディアに対し「他のロシア人有力者と同様に、アブラモビッチ氏は(経済制裁を受ける可能性を考えて)パニックになっている。イングランドにあるすべての邸宅を売ろうとしているし、チェルシーもできるだけ早く手放したいようだ。3月1日に私と、あと3人にチェルシーを購入しないかというオファーがきた」と明かしている。

ビース氏は続けて「私は4~5日、待たないといけない。アブラモビッチ氏は(金額を)求めすぎているからだ。ご存じのようにチェルシーは彼から20億ポンド(約3190億円)の借入があるから(その分も上乗せしようとしている)」「今日の時点で正確な金額はしらない。ただ実際に買うとなれば、6~7人の共同事業体とともに購入するだろう」などと説明している。

デーリーメール電子版は「アブラモビッチ氏がチェルシーから離れようとしているのは明らかだ」としている。同氏がロンドンで所有する不動産などを売却しようとしている上に、自分の資産の一部を移すために、ここ数週間、UAEを訪れていたことが理由だという。

アブラモビッチ氏はロシアのウクライナ侵攻とともに、チェルシーの経営権をクラブ慈善団体の評議員に譲渡したと発表した。評議員側がまだ譲渡を承認しておらず、法的な詳細についてチェックしている段階だが、アブラモビッチ氏がクラブから離れようとしていることは間違いないもようだ。