南野拓実(27)がリバプールからモナコに移籍し、がぜん注目を集めているのがフランス1部だ。南野以外にも、伊東純也(29)がベルギー1部ゲンクからスタッド・ランスに加入。トゥールーズにはオナイウ阿道(26)、ストラスブールにはGK川島永嗣(39)がそれぞれ所属している。

その中で、やはり世界最高峰のクラブ、リバプールから来たとあって南野の注目度は高い。フランス1部公式サイトはモナコ移籍決定後、南野の特集を組んで、どんな選手であるかを紹介。昨季はFA杯、イングランド・リーグ杯でいずれもチーム得点王となり、両カップ戦優勝の立役者となったと説明した。

モナコのスポーティング・ディレクターであるポール・ミッチェル氏は「我々はフランスで2番目に若いチーム。タキ(南野)にはチームに成熟した要素も持ち込んでほしい」と話した。国内リーグに加えて欧州カップ戦を戦う上で、南野のような経験豊富な選手が欲しかったと強調した。

南野は19年冬にリバプールに移籍。要所で活躍し、練習でもいつも全力プレー。クロップ監督は「指揮官にとって夢のような存在」とそのプロ意識を高く評価した。だが結局レギュラーを確保するまでには至らなかった。モナコでは堂々の主力として、ピッチ内外で他の選手たちのお手本となる言動が期待されている。南野は「自分のでき得る全てを出してチームに貢献したい」と意欲を見せている。

一方、Sランスに加入した伊東にも大きな注目が集まっている。フランス1部公式サイトは「見るべき新加入選手5人」という記事の中で、ポルトからパリ・サンジェルマンに移籍したMFビティーニャらとともに伊東を選出。「欧州5大リーグの1つに挑戦するにはやや年齢が高いが、彼の才能と成熟ぶりからすれば、なじむのに時間はかからないはず」としている。

Sランスのディレクター、マチュー・ラクール氏も「伊東はゴール前でもとても技術がある。サイドの選手として、プレーの最初から最後まで関わることができるまれな存在」と高く評価する。伊東の獲得にSランスは移籍金1000万ユーロ(約14億円)を支払ったとされている。29歳の選手に対して安くはない金額で、期待の大きさが表れている。【千葉修宏】

○…3日付のレキップ紙は、新戦力の特集記事の中で伊東を大きな写真とともに掲載し紹介している。「俊敏でスピードがあり、本能的テクニックを持つ」などと書いた。7月31日に行われたサッスオロ(イタリア)との親善試合で持ち味を発揮。同紙は「爆発的なスピードを披露し、ファンの心をつかんだ」と評した。