ブライトンの日本代表MF三笘薫(25)が、前回王者リバプールから芸術的な決勝点を奪った。

後半ロスタイム、浮き球で相手選手をかわしながら右足アウトサイドで打ち抜いた。21日のプレミアリーグ第21節レスター戦のミドルシュートに続く、公式戦2試合連発で今季通算6ゴール目。サッカーの母国イングランドを舞台に「三笘無双」が止まらない。

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三笘の特長と言えば、スピード、姿勢の良さ、右足アウトサイドキックなどがある。川崎F入団1年目の20年シーズン、これらのプレー背景や自らの考えを余すことなく語っている。川崎Fユースからトップに上がらず筑波大に進学。先を見据えて学ぶ姿勢こそが飛躍へのトリガーとなった。

(1)走り 大学2年から陸上の先生のマンツーマン指導を受け、おしりとおなかを使うことを意識。「スピードが全般に上がり、ドリブルをしている時の姿勢、切り返した後のスピードに生かせるようになった」。

(2)ドリブル 大学時代は速くトップスピードになって相手を抜くことを意識したが、プロになりスピードを上げすぎるとボールを失うリスクも実感。「7、8割のスピードで相手を見ながらパス、ドリブルを選択する。抜く時に相手の足に近いところより、少し遠回りしてでもボールを失わないことから逆算するボールの運び方になった」。

(3)姿勢 背筋がピンと伸び、優れた状況判断が技術を下支えしている。ロナウジーニョやネイマールも参考に「常に周りを見ながらだと相手も飛び込めない。余裕を見せることで相手も脅威になる。常に上体を起こすことはやってきたことで身についている」。

(4)右足アウトサイド 大学2年時から多用。スルーパスに加え、相手に読まれにくいクロスにも使える。「ドリブルを見せることでアレが生きる。強く蹴ってGKとの間に流し込めば、だいたい危険なボールになるので常に狙っている」。

運動生理学や栄養学に目覚めた学生時代。そこへ元来の考える力に世界経験が重なり合い、今がある。