オーストラリアのアルバニージー首相は10日、記者会見し、同国で開催中のサッカー女子アジア・カップで敗退したイラン代表の選手5人に人道目的の新たなビザ(査証)を発給し亡命を認めたと明らかにした。

米イスラエルとイランの交戦が始まり、イランの最高指導者ハメネイ師が殺害された後の2日の韓国戦で選手らが国歌を歌わず、体制への抗議と受け止められた。イラン国営テレビの司会者が選手たちを「裏切り者」と非難。帰国後に処罰されるとの臆測が高まった。

トランプ米大統領は9日、帰国させるのは「重大な人道的過ち」だとしてオーストラリアに亡命を認めるよう要求。アルバニージー氏と対応を協議し、5人が保護下に入ったと交流サイト(SNS)への投稿で明らかにしていた。

アルバニージー氏は5人について「ここは安全であり、居心地よく過ごせるはずだ」と指摘。5人以外の選手にも「支援を提供する用意がある」と表明した。

5人にはキャプテンが含まれる。一方で、シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、残りのイラン代表選手らが東部の滞在先を後にしたと報道。関係者に手を引かれバスに乗り込む選手の姿が目撃されたという。

トランプ氏は投稿で「(帰国すれば)殺害される可能性が非常に高い」と主張し、オーストラリアが亡命を認めなければ米国が受け入れるとしていた。一方で、家族に危害が及ぶことを恐れて帰国を考えている選手もいると述べた。