【ダラス(米国)14日(日本時間15日)】魂の同点弾で、格上オランダから勝ち点1をもぎ取った。1度は追い付きながらも再び勝ち越されて迎えた後半44分、日本代表が粘りを見せた。CKからFW小川航基(28=NECナイメヘン)が頭で合わせたボールが、MF鎌田大地(29=クリスタルパレス)の頭を経由してゴールイン。1次リーグ最難関とされた初戦で、2度のビハインドからドローに持ち込んだ日本が「最高の景色」に向けて好発進した。
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劇的に追い付いた瞬間、2人が同時に両手を広げて感情を爆発させた。MF伊東からのCKを頭で合わせた小川と、そのシュートが頭に当たってネットを揺らしたMF鎌田。得点者と記録された鎌田は「自分のゴールだとは思っていたけど、航基が喜んでいたから、それに付いていった」とその瞬間を振り返った。
「当たっちゃったぐらいの感覚だから、ラッキー」と話したが、値千金のゴールは、自らが引き寄せたものだった。CK時の役割は相手DFファンダイクのブロック。「いいブロックができた」と任務を遂行したことで、運も引き寄せていた。
大会前の合宿には、欧州カンファレンスリーグを制してから合流。自身2度目の大舞台には「プレーで引っ張っていく」と、主軸としての自覚を持って挑んだ。そんな中での結果に「この大会に懸ける思いや、今までサッカーやってきたことを、本当に神様が見てくれてるんだなって思った。本当に報われた感じ」。タイムアップの瞬間、充実感をかみしめるように両手でガッツポーズした背番号15は「じれずに同点に持っていけたのは、勝ち点1以上の大きなもの」とうなずいた。
小川は試合前まで代表通算15試合11得点と結果を残してきたシュート技術で、鎌田の得点をアシスト。「俺は絶対にこのチームに欠かせない選手だと思ってきた。口だけじゃなくて、結果で証明できて良かった」と存在価値を証明した。
今大会に向けた合宿で変化があったから、アシストでも素直に喜ぶことができた。これまではFWとして、得点こそ価値があるものと考え「俺が決める」と貫いてきた。しかし大会前に、サッカー人生で初めての感情がわき起こった。直前にMF遠藤が離脱する危機がありながらも、優勝に向けて団結を強める集団において「チームが勝ち点を拾うことだけ」というフォア・ザ・チームの精神が生まれた。「自分が点を取れなくてもいいって、心の底から思った。W杯で点を取るっていう自分の夢が、チームの勝利に変わった」。ストライカーとしての吟侍を捨てたわけではないが、チームの結果へのこだわりが強まったことが、W杯での勝ち点につながった。
それぞれの覚悟が重なり合って生まれた同点弾に、鎌田は「この8年間の積み重ねが出た」。2期に渡る森保ジャパンの集大成となる戦いが、いよいよ始まった。【永田淳】


