[ 2014年2月9日9時25分

 紙面から ]ソチ冬季五輪の開会式で、入場行進する葛西主将ら日本選手団(共同)

 ノルディックスキー・ジャンプ男子で、7大会連続五輪出場の葛西紀明(41=土屋ホーム)が、「レジェンド」流調整で金メダルを引き寄せる。今日9日、予選免除だった個人ノーマルヒル(NH)に出場する。日本選手団主将として自身20年ぶりに参加した7日の開会式後、「みんなで頑張っていけるという気持ちを強くした」と、気持ちを高ぶらせた。

 「レジェンド」独特の調整法だ。4日にソチ入り後、6、7日の現地で初となったジャンプ練習に、姿を現さなかった。他の代表4人、世界のトップ選手のほとんどが8日の予選、9日の決勝の前に感触を確かめたが「飛びたい」という思いをあえて封印。フラストレーションをためて本番でその思いを爆発させる。20年以上も世界のトップに君臨し、何百、何千とジャンプを飛んできた中で培ってきた調整法だ。横川コーチは「1度飛べば分かる。彼はレジェンドなんで調整法は任せている」と絶大な信頼感を口にする。

 過去の日本選手団主将のメダルは88年の黒岩彰(銅メダル)だけだが、そんなジンクスも今の葛西には関係ない。過去、手にした五輪メダルは94年リレハンメルの団体銀のみ。悲願の金メダルを、日本の勇気と誇りに変えてみせる。【松末守司】