強靱(きょうじん)化計画は、あくまでも自己流で-。仁川アジア大会で銅メダル獲得の男子マラソン川内優輝(27=埼玉県庁)が5日、韓国から帰国した。来年2月に初めて2週連続フルマラソンを計画するなど、従来通りにレース出場を重ね地力をつけることを明かした。

 来年の北京世界選手権を断念する、失意の銅メダルから2日。前日とこの日、同じ代表の松村や女子銀メダルの木崎らと早朝、1時間半のジョギングで汗を流した川内は、すっかり生気を取り戻していた。到着の羽田空港では「これで終わりじゃない。1年かけて自信を持って来年(12月)の福岡国際のスタートラインに立てるよう、地力作りをしたい」と2年後のリオ五輪を見据え「今まで出来なかったことにチャレンジしたい」とも続けた。

 もともと驚異のレース出場を重ねてきた川内の、新たなチャレンジとは-。出発の仁川空港で明かしたのは、来年2月の2週連続フルマラソンだ。2月15日の「高知龍馬マラソン」は決定しており、その前後に1本入れるという。「あらゆる状況で走れるようにするために」という狙いで「高知は2時間12分とか15分とかそこそこのタイム、もう1本はサブテン(2時間10分)を切るつもりで」という。これまで1週空けてのマラソンは8回あるが、今回は自身初の連続挑戦になる。

 さらに到着の羽田空港で明かしたのが、年内にあと4レースに出るプランだ。来月2日のニューヨークシティから12月21日の防府読売まで、5週で3本を含むもので、達成すれば昨年の11本を超し、今年は月間1本ペース=12本のフルマラソン出場となる。

 「仕掛けるところは仕掛けたので」と仁川のレースに戦略上の悔いはない。「レース勘を頼りに勝てるような地力や、スピードを出せる余力」と明確な課題が何よりの手土産になった。「もっと鍛える」と誓った川内が、従来通りレース出場を重ね、すごみを増して日本代表戦線に戻る。【渡辺佳彦】