陸上男子短距離の山県亮太(25=セイコーホールディングス)が19日、鳥取市内で行われた中国5県対抗選手権にオープン参加し、予選で追い風2・4メートルの参考記録ながら、10秒08をマークした。世界選手権(ロンドン)の出場を逃していたが、復活を印象付けた。決勝は追い風0・9メートルの10秒17だった。次戦は9月の全日本実業団対抗(大阪・ヤンマースタジアム長居)を予定している。

 力強い山県が戻ってきた。追い風2・0メートルを超える条件下のため、参考記録ながら、10秒0台は3月のオーストラリア遠征以来、5レースぶり。「スピードを体が思い出し、けがなく練習できたら、記録は上がる」とうなずいた。同遠征で右足首を痛めた影響で、6位に沈んだ日本選手権から体重は3キロ増の73キロ。状態は「8割5分から9割」という。スタートを課題に挙げながら、中盤以降の加速に手応えをつかんだ。

 世界選手権の期間は北海道・網走で合宿に励んでいた。男子200メートル決勝に進んだサニブラウンや銅メダルを獲得した男子400メートルリレーの結果に「刺激を常に受けてきた。自分は日本代表に負けないように練習を頑張るだけ」。28歳で迎える東京五輪に向けては「気持ちを引き締めないと代表になるのは難しい」と危機感も覚えた。「9秒台を期待される中で、しっかり自分が出せるように準備したい」。ロンドンに行けなかった悔しさを糧にしている。