関東学生陸上競技連盟が第100回の記念大会となる2024年1月の箱根駅伝で全国化を検討していることが6日、分かった。

 実現すれば、大学長距離界の分水嶺(れい)となる。現状、前途有望な高校生は一部の実業団へ進む選手を除き、関東の大学に集中する傾向にある。箱根駅伝に挑戦できるというメリットが大きいからだ。事実、関東と地方の大学の実力差は顕著で、今年の出雲駅伝では上位9校、5日に行われた全日本大学駅伝でも上位15校を関東勢が占めた。門戸が開かれたとしても、本番の顔ぶれが同じになる懸念もある。

 しかし、上位に進出すれば一般受験の志願者数も増えるといわれるほど、宣伝効果の大きい箱根駅伝に出場する可能性が開ければ、全国の大学が強化に力を注ぐことが考えられる。有力選手が関西や、地元の大学から箱根を目指すという選択肢も生まれる。戦力が分散され裾野が広がれば、競技人口の増加が期待され、レベル向上にも結びつく。

 過去の出雲駅伝、全日本大学駅伝の2大会では30年以上、優勝は関東勢に限られている。関東以外の大学の優勝は、79、81、82年福岡大、86年京産大(いずれも全日本)だけ。勢力図が変わりそうな気配が漂う。