IAAF(国際陸上競技連盟)ワールドチャレンジ第2戦「セイコー・ゴールデングランプリ大阪」(日刊スポーツ新聞社共催)が20日、ヤンマースタジアム長居で開催される。

 ニッカンスポーツ・コムでは今回から世界から集結するトップアスリートに挑む日本の6選手を紹介する。第2回は男子200メートルと400メートルリレーに出場する飯塚翔太(26=ミズノ)。

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 目指している数字がある。日本人初の19秒台。飯塚は「結果で手応えが欲しい。いつでも(20秒を)切れる準備をしたい」と力を込める。自己記録は16年の20秒11。今季は春の米国合宿で右腸腰筋を痛めて出遅れたが、大阪へ向けて状態は戻ってきた。

 大台突破のキーワードとなるのが、ストライド(一歩の長さ)だ。日本陸連の科学委員会のデータによると、20秒55で3着だった日本選手権でのストライドは最高2メートル28。同レースでサニブラウン・ハキーム(18=フロリダ大)は2メートル41、藤光謙司(32=ゼンリン)は2メートル34だった。過去の最高記録は2メートル31という飯塚は「1センチだけでもストライドが伸びれば、19秒台が出るというデータもある。大きい走りが重要」と言う。186センチの長身を考えれば、やや物足りないストライド。ただ得意のピッチを維持したまま、それがミリ単位でも伸びれば、記録は大幅に縮まる可能性を秘めている。

 400メートルリレーは山県、桐生、ケンブリッジと16年リオ五輪で銀メダルを獲得したメンバーで臨む。「20年東京五輪の金メダルへ向けて、実戦で課題を見つけて、やっていきたい」と話す。4人の中では最年長でまとめ役。リレーチームでの活動では、桐生が「飯塚さんに甘えてます」と言うように、周囲から広く慕われる。

 成熟するチームの中にあって、替えのきかない存在となっている。【上田悠太】