「光より前に大作戦」で2冠を達成する。10月の出雲駅伝で今季1冠を獲得した青山学院大・原晋監督(51)は31日、特別監修を務めた舞台「光より前に~夜明けの走者たち~」(11月14日初日、東京・紀伊国屋ホール、同29日初日、大阪・ABCホール)の稽古を見学した。

1964年東京オリンピック(五輪)男子マラソン銅メダルの円谷幸吉氏(享年27)と1968年メキシコ五輪銀メダルの君原健二氏(77)を描いた舞台。円谷氏は、金メダルが期待された68年メキシコ五輪の9カ月前「もうすっかり疲れ切ってしまって走れません-」との遺書を残して自殺する。舞台では競技に真剣に向き合った2人の友情、葛藤などが描かれる。

舞台稽古を初見学した原監督は「感動した。アスリートものの舞台は、どうしてもうそくさくなる面もあると思ったが、スポーツ中継では見えない陰の部分も含めてリアル感があった。ほんまもの」と独特の表現で仕上がり具合を評価した。「アスリート、指導者はもちろん、一般のサラリーマンも見てほしい。挫折しても再挑戦する姿勢を学べる」と続けた。

原監督率いる青学大は、先月の出雲駅伝を制し、今季1冠目を獲得した。今季の目標は2季ぶりの3冠による箱根駅伝5連覇。来月4日には全日本大学駅伝(名古屋・熱田神宮~三重・伊勢神宮=8区間106・8キロ)が迫る。原監督は、自ら特別監修した舞台タイトル「光より前に」をとって「光より前に大作戦。光より前に行って勝つ」と、今季2冠目獲得を宣言した。

大学の練習は早朝5時前から始まる。原監督は「朝日の光より前に走って、ライバルより、光より速く走る」と作戦名の狙いを説明。すると、出演者で、円谷のコーチ役を演じる和田正人(39)から「監督、(作戦名の)ひかりより速いのは(新幹線の)のぞみだけ。全日本大学駅伝は望みをかけて頑張ってください」とエールを送られた。原監督は「まずは全日本に勝って(11月14日初日の)舞台を見る。そして公演期間のどこかで出演するかもしれない」と俳優としてサプライズ出演を予告した。