完全に覚醒した。陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が追い風参考記録ながら9秒96をマークした。

追い風2・4メートルの準決勝3組で2着に入り、全体2位で7日(日本時間8日)の決勝に進んだ。

11日の米大学南東地区選手権決勝で日本人2人目の9秒台となる9秒99を出していた。それからわずか、3週間後、追い風参考ながら、再び10秒を切るタイムを刻んだ。

同じ組には100メートル9秒94、200メートルで19秒76の自己記録を持つオドゥドゥル(22=ナイジェリア)がいた。それでも「とりあえず、自分の走りをすれば、ひけを取らないと思っていた、あまり気にせず、自分のレースをするようにしていました」。会心のレースではなかった。「スタートが全然出られなかったのがもったいなかった。結構、遅れたと思います。レースの終盤から後半は悪くなかった。金曜日(決勝)に向けて、修正して、スタートからいけるように」と振り返った。

その約1時間後の200メートル準決勝も20秒44(追い風0・6メートル)の2着で決勝に進出した。この日は100メートルの前に400メートルリレーにも出場しており、「疲れました。さすがに200メートルはガス欠でしたね」と話した。

サニブラウンは東京・城西高を17年3月に卒業後、オランダでの拠点を経て、同年秋から米フロリダ大へ進学した。競技に関する設備面だけでなく、スポーツマネジメントも学ぶため、日本を出るという王道とは違う道を選んだ。92年バルセロナ五輪100メートル銅メダリスト、デニス・ミッチェル(米国)らを育てたマイク・ホロウェイ・ヘッドコーチらのもと、スタートを改良。現在は無理に低く出ることを意識せず、自然に上体が上がるイメージを心掛けている。