サニブラウンは心の中で記録を狙いたいという気持ちがあったと思う。前半、スピードを上げていく中で、コーナーで体がかなり外に振られていた。100メートルのスピードが上がったことで、内側のレーンで体をコントロールすることが難しくなっている。2年前の日本選手権ではうまくコーナーを抜けたが、今回は隣のコースに入りそうなぐらい、膨らんでいた。100メートルに比べて、200メートルはまだ、細かい技術まで落とし込めていないかなと感じた。

最後の場面で歯を食いしばっていたが、上体はそれほどぶれていない。これは体がしっかりしている証拠だ。世界選手権までは2カ月以上ある。レースを積みながら仕上げていく段階で、今回のようにバテてもいいから前半から思い切ったレースをすれば、今のスピードにコーナリングを合わせていけるだろう。(男子100メートル元日本記録保持者)