世界トップとの戦いの経験値を積み上げる。陸上男子短距離の小池祐貴(24=住友電工)が14日、羽田空港から欧州遠征に出発した。

18日のダイヤモンドリーグ・バーミンガム大会(英国)の100メートルに出場予定。秋の世界選手権(ドーハ)で決勝進出を目指す上で、試金石の舞台となる。この日までに発表されているエントリーリストでは17年世界選手権銀メダルのクリスチャン・コールマン(米国)、16年リオデジャネイロ・オリンピック銅メダルのアンドレ・デグラッセ(カナダ)、12年ロンドン五輪銀メダルのヨハン・ブレーク(ジャマイカ)ら自己記録9秒台が13人だ。

先月20日のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会で日本歴代2位タイとなる9秒98を出した小池は「しっかり力を出せば決勝にいけると思う。(決勝で)真ん中以上の順位なら、自信を持って世界選手権に臨める。今回の結果次第で世界選手権(の決勝が)が夢とかでなく、手に届くものとして、考えていける」と力を込めた。海外転戦も重ね、世界のトップを相手にも、平常心で臨めるようになったのも成長だ。

日本人3人目の9秒台を出したレースも反省が残る。「前半で飛ばし過ぎて、最後はガス欠になった」と言う。「ペース配分」に意識を置き、「100メートルという距離をしっかり使い、走り切る」イメージを高めてきた。7月下旬からは約1週間、地元・北海道に戻ってトレーニングを積んだ。練習場ではファンからの出待ちも受け、サインなどに応じた。「有名人ってこんな気持ちなのか」。世界大会で活躍すれば、その反響はどんどん大きくなっていく。