自己記録10秒00の山県亮太(28=セイコー)がついに挑み続けてきた「10秒の壁」を突破した。決勝で追い風2・0メートルの条件下、日本新となる9秒95で優勝した。桐生祥秀(25)、サニブラウン・ハキーム(22)、小池祐貴(25)に続き、日本人では史上4人目の9秒台スプリンターになった。

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布勢スプリントは屈指の好記録大会として知られる。2つの要因が大きい。1つ目はタータン(走路)。ボルトの世界新なども生んだ、高反発で知られるモンド社の「スーパーX」が敷かれている。2つ目は風だ。午後は安定して追い風となる立地。100メートルなどのスタート位置後方に「防風フェンス」を設置し、強すぎれば、それを閉じ、弱い場合は開ける。山県以外にも、女子100メートル福島、女子200メートル信岡らが当時の日本記録を樹立している。