駒大が「3冠」へ向けて発進する。大学3大駅伝の初戦となる出雲駅伝の前日会見が9日、島根・出雲市内で行われた。前年度の出雲は中止となり、残る全日本、箱根を制した駒大の大八木弘明監督(63)は「勝ちにこだわってやっていこうとやってきた。一丸で頑張っていこうと思う」。迫力ある低い声で勝負を見据えた。

最終6区には1万メートルで27分39秒21の自己ベストを誇る田沢廉(3年)を配置。5区までトップと射程圏でつなぎ、絶対エースで逆転する展開を描く。前年度から「層の厚み」「スピード」に重点を置き、強化を進めてきた。トップ選手は学生レベルに目標を置かず、世界選手権やパリ五輪を現実的にも意識させる。「1、2年生が成長してきた。若い連中がいい経験をしてもらいたい駅伝へいい戦いができる」。勝負にこだわるのは当然のこと、今後も見据え、若手の奮起にも期待した。

ただ、田沢に次ぐ存在の鈴木芽吹(2年)はエントリーから外れた。9月に右大腿(だいたい)部を疲労骨折した。出雲は回避し、11月7日の全日本へ向け調整している。1万メートルで27分41秒68のベストを持つ鈴木の不在は痛手ではあるが、十分に補える戦力はある。平成の常勝軍団は強くあり続ける。今季も主役は譲らない。

 

1区 篠原倖太朗(1年)

2区 赤星雄斗(2年)

3区 花尾恭輔(2年)

4区 唐沢拓海(2年)

5区 赤津勇進(2年)

6区 田沢廉(3年)

 

補員

佃康平(4年)

安原太陽(2年)

 

当日変更は補員を2人まで起用できる。