75回の歴史に幕を閉じる大会で、フルマラソン3回目の細谷恭平(26=黒崎播磨)が、2時間8分16秒で日本選手最高の2位に入った。

【最後の福岡国際マラソン】最後はギザエ初V、細谷恭平2位でMGCゲット/ライブ詳細

同時に、条件のタイム内で走り、24年パリ五輪代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権獲得第1号となった。

細谷は「1番の目標は優勝」だったという。しかし、1キロ3分を切るハイペースでの2位で、「いまさらだが、目指すのは日の丸を背負うこと。日本人1番はクリアでき、パリへの第1歩となった。少しずつ(日の丸が)見えてきた」と、MGC出場権獲得を喜んだ。

レースは前半まで、今年2月のびわ湖で鈴木健吾がつくった2時間4分56秒の日本最高と同じハイペース。細谷もしっかりと先頭集団についた。レースが動いたのはペースメーカーが外れた30キロ過ぎ。高久ら3人が飛び出し、細谷は遅れた。

31キロ過ぎで前の3人に追いつき、34キロ過ぎでギザエ(スズキ)がスパート。細谷は「(前半は)初めて経験するペース。追いついたときに、足が思った以上に動いて行かなかった」と、ギザエを追う力は残っていなかった。

中央学院大時代は、3、4年の箱根駅伝で山登りの5区を担当。2年連続区間3位に食い込む粘りの走りが真骨頂だ。「最後は気持ち。ひたすらがむしゃらに前を追うタイプ」で、高久龍(ヤクルト)との競り合いを制し、MGC切符を手に入れた。

今年2月のびわ湖で3位に入ったのが2度目のマラソンだった。そのびわ湖も最後となり、日本選手最高の2位に食い込んだ今大会も幕を閉じるとあって、細谷は「歴史がある大会がなくなるのは名残惜しい」と、しんみりした。