全国高校総体(インターハイ)の陸上競技が8月2日に札幌市内で開幕する。日刊スポーツ東北版では全3回連載で活躍が期待される注目選手を紹介します。第3回は女子400メートル、200メートルに出場する山形中央の赤坂美結(3年)です。

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赤坂は全国高校総体で400メートル制覇に照準を合わせる。「全国優勝を目標に頑張ってきたので、53秒台を出して優勝したいです」。6月の東北高校陸上は自己ベストを0秒03更新の54秒82で1位。7月の山形県選手権はその記録を上回る54秒39で県高校新記録を樹立した。14年10月に酒田南・佐藤日奈子が打ち立てた54秒72を約9年ぶりに塗り替え、全国でも好記録が期待される。

優勝候補として迎える今大会はリベンジの舞台にする。1年前の全国総体400メートルは準決勝で敗退。当時はトップスピードを維持できず、実力差を痛感した。「筋持久力や筋力が全然足りなくて、1位の人とも(タイムが)離れていたので、まだまだ及ばないなと」。自分の走りを見つめ直すきっかけになった。

スピードと持久力を磨いてきた。主戦場は400メートルと200メートルだが「すごく苦手」な100メートルのレースに練習の一環で出場。1日に予選、準決勝、決勝に臨むハード日程をこなし、「3本しっかりトップスピードで走りきるのを目標に頑張りました」。また500メートル走などロングスプリントにも取り組み、スタミナ面を強化。爆発力を生み出すために筋力トレーニングにも力をそそぎ、体重も入学時から10キロ増加したという。

5月の山形県高校総体は100メートル、200メートル、400メートルの3冠を達成した。東北陸上は「県大会で終わり」と決めていた100メートルこそ欠場も、400メートルが1位で200メートルが3位に入り、全国総体では2種目にエントリー。「本命(種目)なので」と話す400メートルは頂点を見据え、200メートルは「決勝に残れるように頑張ります」。山形最速スプリンターが北の大地で有終の美を飾る。【山田愛斗】

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