世界ランキング1位の北口榛花(25=JAL)が66メートル73で日本女子ではフィールド種目で初となる金メダルを獲得した。
前回大会の銅に続くメダルで、女子では史上初の2大会連続メダルとなった。さらに日本陸連が定めた24年パリオリンピック(五輪)の選考基準を満たし、2大会連続の五輪代表に内定。陸上ではパリ五輪内定“第1号”となった。
19年からチェコ人のダビド・セケラク・コーチに師事し、同国へと渡った。「時間も違うし、ご飯も違うし、友達もないし、家族もいないし…」。孤独に耐え、辛い日々を乗り越えた先に、悲願の金メダルはあった。
笑顔いっぱいの一問一答<2>は以下の通り。
◇ ◇ ◇
-去年は「軽い」と言っていたメダルの重みはいかがですか。
北口 材質的には重い(笑い)。去年は木だったから、ちょっと大きいですよね(笑い)
-金を絶対に取るという執念や自信はありましたか。
北口 自信もあったし、やっぱり負けたくないって思いました。最後の時は。
-メダルを狙ったのではなく、金メダルを狙いにいったんですか。
北口 もう誰にも負けたくないって。
-昨日の夜はどんな心境でしたか。
北口 夜遅い試合じゃないですか。だから昨日の昼とかも寝なさいって言われたんですけど、寝たら心臓の音がバクバクしてて。心臓が出てきたんじゃないかなって。それくらいの感じで「大丈夫かな?」って思ったんですけど、スタジアムに入ってきた時に知っている人の顔がたくさんあったのが、ほんとに安心したのか分からないですけど、すごくホッとしたというか、緊張が解けた話でした。昨日の昼間から緊張してて「体力持つかな?」って思ったんですけど、夜はアイマスクをして。それで今日の昼も寝れなくて。なんか眠いなって思いながらアップして起こしていたんですけど、本当に競技場に来たらホッとしました。
-ここまでの道のりはどうですか。
北口 ほんとに辛いこともたくさんあったし、あまり今は冷静に振り返れないかもしれないんですけど。でも本当に世界で一番になれると信じて、この競技を選んで良かったなって思います。んー、なんだろう(15秒ほど沈黙し)やっぱりチェコに自分が好きで行っていますけど、(日本とは)時間も違うし、ご飯も違うし、友達もいないし、家族もいないし。すごく寂しくなる時もあったんですけど、今、こうやってチェコでお世話になっている人たちが来てくれたので。その中で金メダルを取れて、うごくうれしいですし。次は(25年に)東京での世界陸上もあるので、東京の時はお世話になった方々の前でまたいい結果出せたらいいなって思います。
-自分が道を切り開いてきました。
北口 誰もやっていなかったことを自分で選んでやりましたし、誰もできなかった結果にたどり着けて本当にうれしいです。
-パリ五輪の内定も決まりました。そこへの思いはいかがですか。
北口 さっき知って。あぁそうだなって思ったんですけど。パリ五輪は世界選手権よりももっとオリンピックのほうが他の選手の気迫も違うので、その気迫に負けないように自分も世界チャンピオンとしての気迫を出せるように。いつもヘラヘラしていないで(笑い)。もうちょっと気迫を出して投げれるようにしたいです。それと同時に、世界で一番になったことは、今回ワールドリーダー(世界ランク1位)として臨んで、すごくプレッシャーというか、今までの世界選手権とは違うものを感じたので、これから世界チャンピオンとしてのプレッシャーがかかると思うんですけど、あまり気にせずに競技ができるようになれたらいいなって思います。