2024年パリ五輪男子マラソン代表の残り1枠を争うグランドチャンピオンシップ(MGC)「ファイナルチャレンジ」対象3レースの初戦は、マイケル・ギザエ(29=スズキ、ケニア)が2時間7分08秒で2年ぶりの優勝を決めた。細谷恭平(28=黒崎播磨)は2時間7分23秒で日本人最高の4位も、MGC出場設定タイムの2時間5分50秒を切れなかった。


◆福岡国際マラソン順位(タイムは速報値)

(1)マイケル・ギザエ 2時間7分08秒

(2)楊 紹輝 2時間7分09秒

(3)ソンドレノールスタッド・モーエン 2時間7分16秒

(4)細谷 恭平 2時間7分23秒

(5)ヴィンセント・ライモイ 2時間8分00秒

(6)■ 配友 2時間8分07秒

(7)ブレット・ロビンソン 2時間8分29秒

(8)アベル・キルイ 2時間8分36秒

(9)ベスウェル・イエゴン 2時間12分17秒

(10)大石 巧 2時間12分34秒

■は豊の簡体字

日本人トップの4位でゴールした細谷恭平(撮影・岩下翔太)
日本人トップの4位でゴールした細谷恭平(撮影・岩下翔太)

◆レース経過  ※タイムは速報値

◆スタート 12時10分号砲。くもり、気温11・9度、湿度64%、南の風1・3メートルの条件。

◆1キロ 2分57秒で通過。平和台陸上競技場トラックを3周強ののち、大濠公園を唐人町方面へ向かう。

◆3キロ 8分52秒で唐人町を通過。

◆5キロ 14分53秒、1キロ3分をわずかに切るペースで早良区役所前を通過。15人で先頭集団を形成。

◆10キロ 29分49秒、1キロ3分を切るペースをきざむ。先頭集団14人がコース最西の下山門通りから、市内を東へと向かっていく。11キロを通過し、2度目の給水もトラブルなし。15キロ手前でデゲファが足を気にするそぶりでペースダウン。

◆15キロ 44分37秒と安定したペースでレースは進む。先頭集団は細谷を含め11人に。3度目の給水もトラブルなし。18キロ付近からライモイが遅れ始める。

◆20キロ 59分42秒で通過。細谷は作戦通りに先頭集団の中盤を追走。4度目の給水も問題なし。

◆中間点 1時間3分00秒で通過、設定タイムの2時間5分50秒台をわずかに超えるペース。22キロ過ぎ、遅れかけていたライモイが先頭集団に戻り、23キロ付近で別の1人が遅れ始める。

◆25キロ 1時間14分42秒で通過、細谷らはしっかりとした足取りも、全体のペースは緩み気味。27キロ手前でライモイとイエゴンの2人が遅れ始める。29キロ手前でロビンソンも遅れだす。

◆30キロ 1時間29分42秒で通過。ペースメーカーが外れ、細谷を含む先頭集団は6人に。

◆31キロ 1キロのペースがちょうど3分に戻る。

◆32キロ 香椎の折り返し地点を細谷が先頭で通過。設定タイムを切るにはさらにペースアップが必要。

◆33キロ 持ちタイムトップのキルイの表情がゆがんでくる。もう1人とともに遅れ始める。

◆35キロ 1時間45分01秒で通過。細谷を含めた先頭集団は4人。このままだと6分台に。ペースアップしたい。

◆36キロ 徐々にペースが落ち始めるなか、中国の揚が細谷をぴったりとマーク。

◆38キロ 細谷の顔がゆがんでくる。ラストスパートの余力は残っているか。

◆40キロ 2時間0分31秒で通過。細谷は4人の先頭集団の3番手。ほかにモーエン、ギザエ、揚。通過直後に細谷が集団から遅れ、4位に後退。

◆41キロ 細谷は先頭集団から外れる。揚とのデッドヒートからギザエが抜け出す。

◆フィニッシュ ギザエが2時間7分08秒で優勝。2位に揚。日本人トップの4位に細谷。

応援旗を背に、懸命に最後のトラック一周をする細谷恭平(撮影・岩下翔太)
応援旗を背に、懸命に最後のトラック一周をする細谷恭平(撮影・岩下翔太)
日本人トップの4位でゴールした細谷恭平(撮影・岩下翔太)
日本人トップの4位でゴールした細谷恭平(撮影・岩下翔太)

◆コース図

【イラスト】福岡国際マラソンコース図
【イラスト】福岡国際マラソンコース図

■MGCファイナルチャレンジ■

男子は2時間5分50秒の設定記録を突破した最速の選手が最後の切符を手にする。今回の福岡国際マラソン、大阪マラソン(24年2月25日)、東京マラソン(24年3月3日)を含めた3大会で設定記録を上回り最上位のタイムを残す必要がある。

女子は2時間21分41秒の設定記録を突破した最速の選手が最後の切符を手にする。大阪国際女子マラソン(24年1月28日)、名古屋ウィメンズマラソン(24年3月10日)の2大会が対象大会となっており、MGCの出場資格保持者の中から設定記録を突破した最上位選手が代表入りする。

なお、設定記録の突破者がいない場合は、MGCの3位選手(男子は大迫傑、女子は細田あい)が代表に選出される。


スタートをきる細谷恭平(中央)ら選手たち(撮影・岩下翔太)
スタートをきる細谷恭平(中央)ら選手たち(撮影・岩下翔太)
スタートをきる選手たち(撮影・岩下翔太)
スタートをきる選手たち(撮影・岩下翔太)
スタートをきる細谷恭平(中央)ら選手たち(撮影・岩下翔太)
スタートをきる細谷恭平(中央)ら選手たち(撮影・岩下翔太)
トラックの2周目を走る細谷恭平(中央)ら選手たち(撮影・岩下翔太)
トラックの2周目を走る細谷恭平(中央)ら選手たち(撮影・岩下翔太)
トラックの3周目を走る細谷恭平(中央)ら選手たち(撮影・岩下翔太)
トラックの3周目を走る細谷恭平(中央)ら選手たち(撮影・岩下翔太)

◆男子マラソン日本歴代5傑◆


選手名タイムコース
1鈴木健吾2時間04分56秒21年びわ湖毎日
2大迫 傑2時間05分29秒20年東京
3山下一貴2時間05分51秒23年東京
4其田健也2時間05分59秒23年東京
5設楽悠太2時間06分11秒18年東京

テレビの中継に出演する瀬古利彦氏(左)と大迫傑(撮影・岩下翔太)
テレビの中継に出演する瀬古利彦氏(左)と大迫傑(撮影・岩下翔太)

◆招待選手◆


選手名年齢=所属、国籍タイム
細谷恭平28=黒崎播磨2時間06分35秒
マイケル・ギザエ29=スズキ、ケニア2時間07分28秒
ヴィンセント・ライモイ27=スズキ、ケニア2時間07分01秒
アベル・キルイ41=ケニア2時間05分04秒
アベベネゲウォ・デゲファ39=エチオピア2時間04分51秒
ベスウェル・イエゴン30=ケニア2時間06分14秒
ソンドレノールスタッド・モーエン32=ノルウェー2時間05分48秒
ゼライクブロム・メスンギ37=ノルウェー2時間07分10秒
ブレット・ロビンソン32=オーストラリア2時間07分31秒
ベスウェル・ルト30=ケニア2時間07分34秒
楊紹輝31=中国2時間07分49秒


福岡国際マラソン2023を前に記者会見する細谷恭平(共同)
福岡国際マラソン2023を前に記者会見する細谷恭平(共同)

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