陸上女子で23年世界選手権代表の山本有真(23=積水化学)が、初の五輪代表入りを思い描いた。

13日、アジア室内選手権(17~19日、イラン・テヘラン)への出国前に羽田空港で取材対応。3000メートルに出場予定で「(世界ランキングの)ポイントを獲得することが目的。9分5秒以内で2位以内が目標」と意気込んだ。

名城大時代にトラック種目や駅伝で活躍した山本は、昨春から実業団へ加入。昨年7月のアジア選手権5000メートルでは金メダルを獲得した。ただ、同8月の世界選手権同種目予選では16分5秒57で最下位。「何してるんだろう」とぼうぜんとした。

当時は競技に対する恐怖心があった。「周りの期待に応えられなかったり、ちゃんと走れなかったりしたら、何か言われるのではと気にしすぎていた」。野口英盛監督に相談すると「代表に選ばれたのは自分の頑張りのおかげ。周りを気にする必要はない。あの舞台に立てるのは限られているから、感謝の気持ちをもって楽しまないと」と返された。

その言葉で気も楽になった。レースへの向き合い方にも変化があり「次は楽しみな気持ちで走ろうというメンタルでいようと思う。そこが一番変わった」と実感する。

パリ五輪代表入りへは、参加資格を満たした上で6月の日本選手権で好成績を残すか、世界ランキングで上位に入る必要がある。「世界陸上では自分の力が発揮できず、悔しい結果で終わっている。もう1度、世界の舞台で自分の力を発揮して、もっと上の世界を見てみたい。そのためにもパリに出場して、リベンジをしたい」と力を込めた。【藤塚大輔】