15年世界選手権北京大会一万メートル代表で、マラソンは2時間8分56秒の記録を持つ村山謙太(31=旭化成)が、仰天の行動を行った。

先頭集団を走っていた22キロ過ぎで、突然くるりと身を翻して、コースを逆走。

路上に落ちたものを拾い上げて、再び先頭集団を追いかけた。この場面は中継したNHKテレビでも放送された。

これは両足のシューズの甲部分につけたタイムの計測用チップで、最初に約8キロ地点で片足につけた1つが落ちたという。

さらに22キロすぎで最後の1つが落ち、思わず引き返すことになった。その後は手にチップを握りしめて走り続けたという。

上位争いしながら、結果は2時間9分0秒の18位。無事に最終タイムは計測されたものの、2つ目のチップを落とした後半以降の詳細タイムは、結果には記されていなかった。

珍しい光景に、X(旧ツイッター)では「村山君追いついてよかった」「村山、何落としたの? そしてなぜ拾いに戻ったの?」と、驚きが上がっていた。

本人はレース後、苦笑いで取材に応じ「初めての経験です。(チップを落として)これで、タイムが取れなかったら『俺、ゴールした後に終わるかな』と思って。テレビ(中継)では、何か言われてるんだろうなと。余裕はあったので、そんなに気にならなかったが、後半には(影響が)きましたね」と、アクシデントを振り返っていた。