マラソン初挑戦の平林清澄(きよと、21=国学院大)が2時間6分18秒で優勝した。日本学生記録(2時間7分47秒)と初マラソン日本最高記録(2時間6分45秒)を塗り替えた。

昨夏からマラソンに向けて準備を始め、8月には月間1200キロを走行。ぜんそくのような咳き込む症状に見舞われるほど自分を追い込んだ。そして、駅伝シーズンをはさみ、今年1月からは対乳酸を意識したインターバル練習を積んできた。

国学院大の前田康弘監督(46)は「練習から、学生記録は狙えるところにいるという手応えがあった」とし、初マラソンでの優勝を祝福。大学入学当初から「マラソン行ける選手」と評価していたことを明かし、その理由を「(168センチ、44キロの)軽い走りと可動域のしなやかさ。あと心拍が強い」と説明した。

今大会では、平林はパリ五輪日本代表選考の対象外だった。「無欲だったので。『シンデレラボーヤ』ですね、彼は」。躍動した教え子に、独自の愛称をつけて笑った。

来春4年生になり、主将としてチームを引っ張る立場になる。ただし、変わらず駅伝とマラソンの2つを追いかける予定だ。

前田監督は「箱根駅伝がマラソンにつながっているということを証明する選手であってほしい」と世界へ羽ばたく未来に期待を寄せた。