平林清澄(きよと、21=国学院大3年)が2時間6分18秒をマークし、初マラソン初優勝を果たした。従来の初マラソン日本最高記録は、23年の同大会で西山和弥がマークした2時間6分45秒。27秒も更新してみせたが「ここが自分の最高地点ではない。さらに練習して精進したい」とすぐに次を見据えた。

快挙達成の根幹には、陸上への強い情熱がある。それを国学院大のチームメートたちが証言している。22年12月には、同学年でハーフマラソン日本人学生歴代4位の山本歩夢が「私生活でもよく部屋にやって来る」と素顔を明かしていた。

「『一緒に国学院を盛り上げていこうぜ』と。平林は熱い。ずっとしゃべっています」

山本は「そうだね」と聞き役に回ることが多いが、その熱量には大いに刺激を受けているという。

「めっちゃ意識しています。一緒に練習をしたら、平林の呼吸や走り方を見る。呼吸が少し荒れていたら、あまり喜んではいけないれど、『あいつ、疲れとるやん。よし、僕のほうが余裕ある』と思ったりもします。でもたいてい、平林のほうが余裕があるんですけど」

昨年11月には、1学年後輩の上原琉翔も尊敬のまなざしを向けていた。

「競技一筋。辛い時や苦しい時でも競技第一でブレることなく、夜もずっと体のケアをしている。自分も競技者として、見習うべき、尊敬すべきところだと感じています。走ること以外は好きじゃないのかな、と思います」

チームメートも認める“陸上男”。その熱量がこの日の好記録にもつながった。