陸上女子中長距離の田中希実(24=ニューバランス)が新フォームに手応えを示した。

5日、世界室内選手権が行われた英グラスゴーから羽田空港に帰国した。今大会は3000メートルでアジア室内新記録となる8分36秒03をマーク。8位入賞の結果に「世界とぶつかっていく中でプラスアルファの力が出せると期待していたので、まだ自分の予想の範囲内の走りだった」と振り返りつつ、「8分40秒を切れたことは素直にうれしい」とうなずいた。

今季はケニア選手とエチオピア選手のフォームをミックスさせ、よりリズム感に重きを置いた走法に着手している。今回のレースでは「前半のハイペースについていけた」とし、後半へかけても「腰が反らないように意識できていた」と収穫を得た。その上で「五輪入賞ギリギリが今の実力」と冷静に現在地を受け止めている。

今後は、国内のトラックレースでは4月13日の金栗記念(熊本)で800メートルと1500メートルにエントリー予定。1500メートル、5000メートルの2種目での活躍を目指す今夏のパリ五輪へ向け、本格的な屋外シーズンが始まる。5000メートルは参加標準記録(14分52秒00)を突破した時点で五輪代表に内定する。

「調子さえ整えて、しっかりレースに乗れば、タイムは出るかなと期待している。1500メートルもタイムを狙うかは別として、チャレンジする姿勢を持っていきたい。どのように入賞確実の力をつけて、メダルを目指していくかが大事」

今よりも高い次元へ。パリへ向け、突き進んでいく。【藤塚大輔】