2月の大阪マラソンを初マラソン最高記録となる2時間6分18秒で制した平林清澄(21=国学院大3年)が30日、東京・明治記念館で行われた優勝祝賀会に出席し、大学ラストイヤーでの目標と来年9月に東京で開催される世界選手権への思いを口にした。

同校関係者や陸上競技部の部員ら約270人が見守る中、スーツ姿でステージに登壇。「レースで勝ちたい。どうすればもっと早くなれるかをもっと知りたい。そういう気持ちが自分の一番の原動力」と語り、「チームの目標は箱根駅伝での総合優勝。来年1月に(前田康弘)監督の男泣きを見ることができるように、チーム全員で頑張っていきたい」と同大初の箱根制覇を誓った。

平林は今年1月の箱根駅伝で、2年連続で2区(23・1キロ)出走。1時間6分26秒で区間3位となり、チームは5位となった。中2カ月弱で迎えた大阪マラソンでは、日本歴代7位の好記録で優勝した。

初マラソンで快走できた要因の1つには、主将としての責任感がある。箱根駅伝後に「人生初」という主将に就任し、新チームのミーティングで「全員が全てのレースで勝ち切ろう」と声をかけた。大阪でのレース中は、その言葉が頭に浮かんだ。

「負けて帰って、『世界のシニア、レベルたけぇわ』なんて、そんなことは言えない。勝って帰らないと面目が立たない」

32キロから前へ出ると、昨夏の世界選手権5位のスティーブン・キッサ(ウガンダ)との競り合いにも勝ち切った。「『攻めないやつが勝てるわけない』ともチームに伝えていた。それは間違いない。(大阪でも)ここでひるめないと思った。『お前、攻めてない』と言われるので。だから攻めの走りができた」と、自分が発した言葉が発奮材料となったと明かした。

4月からは大学ラストイヤーとなる。「3大駅伝で結果を残すことが自分の夢」と駅伝への強いこだわりを見せつつ、マラソンでの活躍も目指す。25年世界選手権の男子マラソンの参加標準記録は2時間6分30秒。現時点で平林は唯一の突破者となっており、今後の成績次第では代表入りの可能性を十分に残している。

「代表に選ばれるチャンスはある。五輪や世界選手権で戦うとなると、ペーサーがいた大阪マラソンとは違う状況になると思う。勝負レースへ向けた練習も、これから前田監督と話し合いながら強化したい。まだまだやれることはある。冷静に分析しながら、次につなげていきたい」

今後は4月21日に上海ハーフマラソン(中国)に出場予定で、マラソン2戦目は来年1月の箱根駅伝後となる見通し。“箱根から世界へ”を体現すべく、駅伝でもマラソンでも攻めていく。【藤塚大輔】