陸上女子マラソンの日本記録保持者でパリオリンピック(五輪)同種目代表の前田穂南(27)が、自然体で2度目の大舞台へ臨む。

2日、岡山陸協の主催のもと、所属先の天満屋が拠点とする岡山市内で公開練習と会見を実施。2大会連続の五輪へ「世界と勝負できる誇りをもって、自分の最大限のパフォーマンスが発揮できるように頑張りたい」と意気込んだ。

1月の大阪国際女子マラソンで日本新記録となる2時間18分59秒をマーク。日本陸連の選考基準を満たし、鈴木優花(第一生命グループ)、一山麻緒(資生堂)とともに五輪切符を手にした。その後は休養をとり、4月下旬から本格的な練習を再開。5月12日の仙台国際ハーフマラソンを1時間11分17秒、同19日の中国実業団陸上3000メートルを9分26秒01で走り切り、ともに1位となった。「疲労をとりながら徐々に準備してきた。良い状態で来ている」と手応えをつかんでいる。

パリのレースは、スタートからゴールまでの累積高低差が438メートルと起伏が激しいコースが舞台。現地で視察した前田も「過酷なレースになると思う」と見立てている。すでに起伏のあるクロスカントリーコースでの練習も取り入れており、6月中旬からは米国アルバカーキで高地トレーニングも敢行。日本へ帰国せず、そのままパリへ乗り込む予定で「継続して練習していきたい」と意欲を示す。

2度目の五輪は、3年前の東京大会の雪辱を果たす場でもある。前回は左足首痛の影響もあり、日本勢最下位の33位。調整や体調面にも狂いが生じ「その時が一番きつかった」と振り返る。

ただ、19年ぶりに日本記録を塗り替えた今は、その苦い記憶も駆動源とする。

「(これまで)いろいろな経験をした。何が起きても大丈夫です」

パリでの具体的な目標は明言せず、「元気な状態でスタートラインに立ちたい」と何度も繰り返した。気負うことはない。自分のペースで、万全の準備を進めていく。【藤塚大輔】