日本勢は上位を狙えるチャンスを逃した。

過酷なレース条件にメダル有力候補たちが次々と脱落して、40キロ手前の10人前後の先頭集団に残った選手の多くは世界的にほぼ無名で、半分以上が持ちタイムで近藤や吉田を下回っていた。資料によると銅メダルを獲得したイタリアの選手のベストタイムは2時間6分台だ。集団に残っていれば日本勢にもメダルの可能性があっただけに残念だった。

38キロで先頭集団から脱落した近藤は、2回目のマラソンということを考えれば頑張った。ただ粘り強さが身上で、彼の強みを生かせるレース展開だっただけに惜しい。31キロすぎに1度、集団から離されるシーンもあったので、最後のペースアップについていく余裕はなかったのだろう。

マラソンの本当の勝負は40キロから。そこで先頭集団にいなければ話にならない。地元開催で、しっかりと準備をして臨んだはずの日本勢3人はその前に姿を消した。調子がいいと聞いていた吉田は25キロ手前で遅れ、経験豊富な小山も29キロすぎに脱落。地の利も生かし切れなかった。まだ世界で勝ち切るだけの地力がなかったということだろう。

この失敗を3年後のロサンゼルス五輪(オリンピック)に生かすためにも、選手個々のレベルアップとともに、今回の敗因を分析して、本人、チーム、陸連の強化スタッフで情報を共有してほしい。私も84年の五輪で走ったロサンゼルスは、日本ほど蒸し暑くはないが、この時期は気温27~28度で条件は似ている。同じことを繰り返さないためにも、この苦い経験から学び、糧にすることが重要だ。【DeNAスポーツグループフェロー】

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