F1今季開幕戦(3月11~13日)に予定されていたバーレーン・グランプリ(GP)の主催者は21日、反政府デモによる同国内の混乱のために中止すると発表した。3月27日決勝のオーストラリアGP(メルボルン)がシーズン初戦となる。

 AP通信などによると、バーレーンのサルマン皇太子はこの日、F1シリーズの最高実力者、バーニー・エクレストン氏に電話で中止を報告。「今直面している問題を解決することが重要だ」とのコメントを発表した。

 F1の統括団体である国際自動車連盟(FIA)は「延期」と表現しているが、今シーズン中に代替開催されるどうかは未定。

 バーレーンGPは2004年に中東初のF1として行われ、06年と昨年は開幕戦として開催された。砂漠の中に巨大なサーキットをつくり、F1招致にはサルマン皇太子が深く関与したとされる。

 バーレーンの政情不安は、国民の多数を占めるイスラム教シーア派と、王族ら支配層のスンニ派との対立が根底にある。強行開催となれば、反政府デモの矛先が富の象徴といえるF1へ向かうことも考えられた。