世界ランク11位の日本代表は、同12位のスコットランド代表に敗れた。初戦で優勝候補の南アフリカに勝ったが、中3日で迎えた第2戦は疲労も影響。ミスが相次ぎ、後半だけで5トライを許して完敗した。次戦は10月3日に同10位のサモア戦。残り2戦で初の8強入りを目指す。

 日本は後半に一気に突き放された。7-12で前半を折り返し、後半6分にはFB五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)のPGで2点差に迫ったが、同8、16、24、29、34分と立て続けに5トライを許した。第1戦南アフリカ戦でマンオブザマッチのSH田中史朗(30=パナソニック)は「前半はしっかりディフェンスできて良かったけれど、ミスによるペナルティーで得点された。後半はフィットネス(体力)の部分でたたみかけられたのが敗因」と無念の表情を浮かべた。

 初戦ではほとんどなかったノックオンなど、簡単なミスが相次いだ。前半だけでハンドリングのミスが8つ、ペナルティーも7つ。前半15分にはラインアウトからモールを押し込み、初トライを奪った。7-6で逆転したが、リードを奪えたのは3分間。フランカーのリーチ主将は「60分までは良かったが、細かいミスで点数につながらず、一気に流れが変わった」と反省。ボールを保持して攻め続ける日本のスタイルが、要所で精度を欠いた。

 スコットランドは1試合での全得点のうち、約60%の点を前半30分までに奪う速攻型。前半はノートライに抑えたが4PGで失点。後半5分に、抜群の突破力で攻撃を支えたNO8マフィが右足を負傷し、交代したことも痛手だった。

 初戦から中3日の過酷な日程。できる準備はしてきた。8月にはリハーサルを行っていた。19日にクラブチームのサニックスと試合形式で激しくぶつかり合い、中2日でウルグアイとのテストマッチに臨んで疲労度を確かめた。初戦後は五郎丸や松島らが別メニュー調整するなど、回復に工夫をこらした。

 ただひとつ、経験できなかったのが南アから受けるダメージだった。この日、赤白のジャージーに包まれた選手の体には数々のあざと打撲が残っていた。大金星の代償となった傷を癒やすには、時間が足りなかった。強みであるはずの後半、16分には守備ラインを完全に破られた。同23分にはトライ直前で相手WTBにインターセプトされた。

 大敗で勝ち点を積み重ねることはできなかったが、残り2戦に勝てば、目標の8強進出の可能性はある。歴史的な第1戦勝利を無駄にしないためにも、サモア、米国には負けられない。【岡崎悠利】