大橋悠依選手(21=東洋大)の泳ぎには驚きました。

 女子400メートル個人メドレーで日本記録を3秒以上も縮める4分31秒42という好タイム。昨年の世界ランク3位ですから、7月の世界選手権(ハンガリー)でもメダルを狙える位置にいきなり上がってきました。

 実は大会前から注目していました。東洋大では萩野選手らトップ選手と一緒に練習しています。平井コーチからも「いい選手」と聞いていましたし、2月のコナミ・オープンでは4分35秒台で優勝。その後のスペインでも好調でした。コーチからは、出るレース全部で「自己ベストを狙え」と言われているようですが、それを実現してしまっているところがすごい。

 泳ぎを見ると、背泳ぎが素晴らしいですね。専門の選手のようです。明るい、やさしい雰囲気もあって、まさに「新星」という印象です。

 五輪明けのシーズンで、ブレークするタイミングもいい。この日2位に入ったリオ五輪代表の清水選手らと競い合って、さらに日本のレベルを上げていってほしいですね。(伊藤華英=北京、ロンドン五輪代表)

 ◆伊藤華英(いとう・はなえ)1985年1月18日、埼玉県生まれ。00年日本選手権に15歳で初出場。01年世界選手権で初代表入り。08年北京五輪で背泳ぎ2種目出場、12年ロンドン五輪は自由形リレー2種目出場。12年秋に現役引退。順大大学院博士後期課程修了。日大非常勤講師。173センチ。