シンクロナイズドスイミングのチーム・テクニカルルーティン(TR)が行われ、日本(乾、中村、中牧、丸茂、小俣、福村、河野、阿久津)は91・7484点の3位で予選を通過した。昨年のリオ五輪後に加入した福村、河野、阿久津を含めた新生「マーメイドジャパン」として、ライバルの4位ウクライナを0・2567点上回った。ここまで2種目でウクライナに表彰台を奪われていたが、今日18日の決勝で反撃を開始する。

 井村ヘッドコーチ(HC)は、シンプルな指示で8人を送り出した。「ウクライナの流れを止めろ!」。新メンバー3人を含む新チームが夕暮れのブダペストで躍動した。スピードに乗った演技で3位。最年少の19歳阿久津は世界大会デビューを終えて「歩き始めたらすぐに終わりのポーズになりました。記憶がない」。無我夢中で泳いだ。

 演技8時間半前、デュエットTRで乾、中村組がウクライナに敗れて4位。エース乾が涙するのが世界選手権の厳しさだった。井村HCは「(新メンバーも)ちょっとだけ世界選手権の厳しさが分かったんちゃう。これまでどんだけ話しても『はあはあ』みたいに聞いてたけど。これからも味わうでしょう。味わったらええねん!」と言った。

 決勝は18日。今大会はソロ、デュエットのTRでウクライナに3位を奪われた。このままリオ五輪で手にした世界3位の地位を渡すわけにはいかない。ライバルと微差の3位に、井村HCは「逆転される範囲内。今日の出来なら決勝は負けるで。本当の勝負、すごい勝負やと思いますよ」と1歩も引かない構え。乾も「予選はチームの隊形が広かった。決勝はさらに上げていける」と反撃を誓った。【益田一弘】

【シンクロナイズドスイミング】▽チーム・テクニカルルーティン予選

<1>ロシア95・0121点<3>日本(乾、中村、中牧、阿久津、福村、河野、丸茂、小俣)91・7484点