JX-ENEOSサンフラワーズが初優勝を狙ったデンソーアイリスを下し、全日本選手権最多タイとなる5連覇を達成した。

 第1クオーター(Q)は15-16と一進一退の展開になるも、第2Q以降はWリーグ9連覇中の強さを見せつけた。19-20から主将の吉田亜沙美(30)のスリーポイントで逆転すると、一気に流れはJX-ENEOSに。第2Qで11点差に広げる。22点差をつけ、5連続で女王の座をつかみとった。

 チーム最多の19得点を決め、MVPにも初選出された宮沢夕貴(24)は「初めてのMVPでうれしいけれど、チームに取らせてもらったもの。チームメートに感謝しています」と笑みを浮かべた。日本代表でも主将を務める吉田は「まだ決して強いチームではない。チームの2冠という目標に向かっていくだけ」と冷静だった。東京五輪会場でもあるさいたまスーパーアリーナでの試合に渡嘉敷来夢(26)は、「埼玉県出身だけれど初めてさいたまスーパーアリーナでプレーして、会場の大きさに驚いた。東京五輪ではもっとお客さんも入るだろうし、自分のバスケができるのが楽しみ」と笑みを浮かべた。

 昨季は皇后杯、Wリーグのレギュラーシーズンも含めて無敗の女王だった。今季は2017年12月9日のトヨタ自動車戦で75-81で敗れ、既に1敗。吉田は「あの試合で負けたことで、少しプレッシャーが無くなったからこそ、リーグ後半戦に向けても自分たちのスタイルを貫けている」と話した。佐藤清美監督(55)も「これぐらいでいいか、ではなく何をするべきかが明確になった。あの負けが勝利につながっている」と語った。

 チームの目標である、皇后杯とリーグ制覇の2冠に向け渡嘉敷は「強いという声は気にならなくなってきた。勝ちたい、というより負けたくない。自分たちのやるべきことを貫きます」と言葉に力を込めた。