世界44位の大坂なおみ(20=日清食品)が、元女王に続き、元世界2位も撃破した。12年ウィンブルドン準優勝で同32位のラドワンスカ(ポーランド)に6-3、6-2の1時間31分でストレート勝ち。1回戦のシャラポワ(ロシア)戦に続く金星を挙げた。3回戦では、同3位のムグルサ(スペイン)を破った同100位のビケリー(米国)と対戦する。男子1回戦ではダニエル太郎(25)が勝った。

 快勝だった。相手は6年前にテニスの聖地で決勝にまで進んだ名うてのカウンター・パンチャーだ。緩い球と相手のスピードを利用する多様な球種が武器だが、大坂はパワーで完全にねじ伏せた。「とにかく落ち着いて、チャンスに攻めることができた」と笑みを浮かべた。

 第1セットの第1ゲームで、いきなり自分のサービスゲームを落とした。しかし、すぐに第2ゲームで追いついたのが大きかった。3オールの第7ゲームから3ゲームを連取。第2セットも2オールから4ゲームを連取して突き放した。

 今年に入り、長年にわたり女王S・ウィリアムズの練習相手を務めたベージン氏がコーチに就任。いちかばちかのリスキーなショットに「そんなに打ち急がなくていい。じっくりプレーしろ」とアドバイスされた。この日も長いラリーになってもしっかり我慢。チャンスが来るまで待って、得点に結びつけた。

 初戦で元女王のシャラポワにストレート勝ち。この日の相手も、元ウィンブルドン準優勝者。トップ選手2人を下したが、大坂はいたって冷静だ。「あまり過信はしたくない。自分に無用なプレッシャーはかけたくない」。それでも十分な自信は得た。

 3回戦は、今大会好調なビケリーが相手。予選2試合を勝ち上がり、2回戦では昨年のウィンブルドン覇者ムグルサに逆転勝ち。世界ランクは100位と、大坂より下だが、決して侮れない。「先は見ない。自分だけに集中する」。勝てば自己最高ランク40位の更新も見えてくる。