男子プロバスケットボールBリーグのレバンガ北海道は20日、札幌・北海きたえーるでブラジル人のジョゼ・ネト新監督(47)の就任会見を行った。母国リーグで12~16年にクラブチーム「フラメンゴ」を4連覇に導き、同国代表をオリンピック2度、世界選手権3度率いた新指揮官は、熱意を前面に55分間しゃべりっぱなし。「組織力」の向上を掲げ、昨季東地区6チーム中最下位に沈んだチームの再建を誓った。またデイビッド・ドブラス(37)山本柊輔(24)の入団会見も行われた。

 午前11時過ぎ。「オハヨウゴザイマス」と日本語のあいさつで始まった就任会見。ネト新監督の熱弁は止まらなかった。「ポテンシャルはある。キャラクターがそろっている」と選手たちの印象と抱負を語り始めると、言葉は徐々に熱を帯びた。自身の戦術や指導法、さらにはレバンガが世界基準のスタイルを確立することで、リーグ全体、また日本代表の強化につなげる“野望”まで。途中、水分補給をすることもなく、気がつけば55分が経過していた。

 ブラジルの強豪クラブや代表監督を歴任した。50歳を前にして新天地を求めた。清永貴彦チーム統括は「人間性を大事に、チームにポジティブな風を吹かせてくれる」と評価し、新指揮官は「名誉やトロフィーはブラジルに置いてきた」とキッパリ。身ぶり手ぶりを交えた“独演会”の影響で、会見後のミーティング開始が遅れた。クラブ関係者は「情報を発信していくことも、監督の役割だと考えているそうです」と、「ネト流」に理解を示した。

 会見の中で特に強調したのが、チームのための「ハードワーク」と「ハッスル」。自身ができる最大限のプレーを「エクセレント」と表現し、勝利へ貢献するため、個々の最高の働きを求めた。「ユニホームの後ろに名前が書いてあるが、それが重要ではなく、ユニホームの前にある『レバンガ』のマークが一番大事だ」と組織力の向上を掲げた。

 昨季は東地区最下位に終わった。34敗のうち5点差以内の惜敗が15試合。会見後の練習中、シュートチャンスでパスを選択した選手に「そこでシュートを打たないのならベンチに下げる」と厳しいゲキを飛ばした。今日21日に帯広合宿が始まる。チームは大きく改革されそうだ。【浅水友輝】

 ◆ジョゼ・ネト(Jose・Neto)1971年3月16日、ブラジル・サンパウロ州イタペティニンガ生まれ。サンパウロ大出身。01年に同国クラブチームで指導者となり、18年まで1シーズンも途切れることなく6クラブで監督を歴任。フラメンゴを指揮した12~16年は4連覇を達成した。また同国代表監督として、五輪は12年ロンドン大会、16年リオ大会、世界選手権は06、10、14年大会、U-19世界選手権は07、11年大会で指揮を執っている。家族は夫人と1男1女。