ノルディックスキー・ジャンプ女子で夏のグランプリ(GP)女子個人総合7連覇を達成した高梨沙羅(21=クラレ)が11日、ロシアから帰国した。

笑顔を浮かべていたとはいえ、心は複雑だった。6日未明の北海道胆振地方を震源とする最大震度7の地震発生時は、遠征先のロシアにいた。故郷の変わり果てた姿に胸は押しつぶされそうだった。「大好きな北海道で大変な被害があったことをニュースで知るしかなくて、復興を願うばなりだった。1日でも早く安心して生活できるようになってほしい」と話した。

日本にいる両親にも何度となくLINEで連絡をとり、状況を聞いたと言う。動揺したが、母から「集中して飛びなさい」と言われ、競技に専念。GPロシア大会(チャイコフスキー)では、混合団体で優勝し、個人第5戦で3位に入り、7連覇を飾った。

支援も約束した。14年ソチ五輪、今年2月の平昌(ピョンチャン)五輪と押しつぶされそうな重圧の中、支え続けてくれた人がいる。今度は自分が支える番だと自覚している。「多くのファンに支えられてきた。恩返しがしたいので、少しでも早く実家に帰って自分の目で確かめたい。何ができるのかよく考えて行動したい」と話した。