F1第17戦日本GP予選で、トロロッソ・ホンダは2台揃ってQ3に進出し、ブレンドン・ハートレーが6位、ピエール・ガスリーが7位というチームとしては今季最高の予選結果を手にした。

マシンの総合力が問われるテクニカルな鈴鹿サーキットだが、STR13のマシン挙動の仕上がりは良く、ホンダが投入したスペック3のパワーも効果を発揮したとハートレーは笑顔を見せた。

「ホンダには大きく感謝しているよ。パワーユニットがパフォーマンスをもたらしてくれたことに疑いの余地はないからね。中団グループがとてもタイトだからパワーユニットの進化がもたらしてくれた効果は大きかったし、スペック2のままではQ3進出は難しかっただろう。とにかく日本のファンの人たちの前でこのようなパフォーマンスを発揮することができたのは本当に嬉しいよ」

前戦ロシアGPに投入した段階では制御セットアップ面でやや課題が残っていたため予選・決勝での実戦使用は断念したスペック3だが、日本GPに間に合わせるべくベンチテストでセッティングを煮詰めてきたことにハートレーは感謝の念を述べた。

「先週スペック3を投入したときは、ドライバビリティに関しては少し後退していた。アップシフトも良くなかった。それを1週間で直すのは大変なことだったはずだよ。ミルトンキーンズとHRD Sakuraでダイナモで走らせてセッティングしてきたんだ。その努力が実を結んだんだ」

雨まじりの予選でチームがコースに送り出すタイミングを正しく判断したことも功を奏したが、ドライバーの腕が問われる鈴鹿で好走を見せ今季最高位を獲得できたことにハートレーは嬉しさを爆発させた。

「すごく良い気分だったよ。戻ってくる時は少しエモーショナルになってしまった。普段はそんなことないんだけど、この半年間の良かったこと悪かったこと様々が思い出されて、僕自身が成長してきたことは分かっていたんだ。だけどそれを結果で証明するチャンスがなかなか巡ってこなかった。予選でピエール(・ガスリー)に0.1秒とか0.05秒の差で結果が大きく違ってしまったり、レース戦略が良くなかったり、運が思うようにいってくれなかったりね。自分自身がどんどん良くなっているのに、それを証明するチャンスがないからフラストレーションが募っていたんだ。でも今日それがようやく果たせた。だから今日は最高の気分だったよ」

地元で2台揃ってQ3進出という目標を果たせたホンダの田辺豊治テクニカルディレクターもホッと安堵の表情を見せた。

「少しドタバタしたところもありましたが、現状のパワーユニットのパフォーマンスを充分に発揮できたと思いますし、鈴鹿で今季最高の予選結果を出せて良かったと思います。チームとしても目標としていた2台Q3進出が果たせて非常に盛り上がりました。明日はまずはしっかりと2台揃ってレースを走り切り、その上でできるだけ上のポジションでフィニッシュできればと思っています」(米家峰起通信員)