2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は2月28日、競技会場敷地内を大会期間中、完全禁煙とする方針を発表した。

12年ロンドン、16年リオデジャネイロ大会では敷地内の屋内は全面禁煙だったが、屋外には喫煙所が設けられていた。東京大会では屋内外を問わず敷地内禁煙。現在ある喫煙所も撤去、または閉鎖する。

「何人たりとも、会場敷地内では喫煙できない」。組織委は「禁煙五輪」に向けて、強い姿勢を示した。当初は過去大会同様に敷地内の屋外に喫煙所を設ける案もあったが、国際オリンピック委員会(IOC)の「すべての大会関係者の健康を守るため」という意向に沿った形。敷地内とはセキュリティーゲートを通った場所すべてで、紙巻きたばこだけでなく加熱式たばこも吸えなくなる。また、敷地外は各自治体の判断に任せるとしている。

選手村や組織委の管轄する観客不在の場所では例外的に喫煙スペースを設けるが、夏季五輪では初の「完全禁煙」。昨年の平昌冬季五輪も同様だったが、禁止場所で喫煙する者も多く、たばこによる「ぼや」騒ぎもあった。「クリーンな大会」のために、今後はいかに周知徹底するかがカギ。「まずは大会が完全禁煙だということを知ってもらうこと。罰則はないが、とにかく禁煙をお願いするしかない」としている。