【深セン(中国)29日=吉松忠弘】女子テニスで、世界ランキング3位の大坂なおみ(22=日清食品)が29日、出場しているWTAファイナル(中国・深セン)を右肩の負傷のために欠場すると発表した。大坂は会場で会見を開き「右肩が、昨日起きた時に、ずきずきして固まって感じた。サーブの練習もできず、5分ぐらいしか練習できなかった」と話した。27日には世界6位のペトラ・クビトバ(チェコ)を下し、ファイナル初勝利を挙げていた。「ここで、どうしても優勝したかった。最悪の気分」と失望を隠せなかった。

もともとは「(6日の)中国オープン決勝で痛めた。日本で練習していた時もサーブが打てなくて、ようやく打てたのが来る2日前」という。そして5年前からの古傷だったことも明かした。「17歳の頃のタイでの試合で痛めた。でも、そんなに重症じゃなくて、休めば治った」と振り返った。

日本テニス協会の土橋登志久女子代表監督は「2大会連続優勝で、自分が気がつかないうちに疲労はたまる」と分析。9月の東レ・パンパシフィック(大阪)、10月の中国オープン(北京)の連続優勝が、要因のひとつだと思われるとした。大坂は、日本に帰国し、磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けるという。

望まない形で今季を終了したが、「びっくりするけど、今季は昨季よりも良かったように感じている」と笑顔を見せた。今季は、2度のコーチ契約解消に、ウィンブルドン1回戦敗退など、スランプがあった。「泣いた数は昨季よりも今季の方が多かった。だけど、そこから学ぶことは多かったし成長できた」。

来季は、20年1月6日から始まるブリスベン国際(オーストラリア)で幕を開け、同20日からの全豪(メルボルン)で4大大会2連覇に挑む。