ショートプログラム(SP)2位発進の宮原知子(21=関大)が、フリー3位の142・27点を記録して合計211・18点で2位に入った。

3本の回転不足があったものの、全てのジャンプを着氷。表現力を示す演技点で全体1位になるなど、情感豊かなスケーティングで新フリー「シンドラーのリスト」を演じ、自身の今季GP初戦で表彰台に上がった。シニア転向1年目のシェルバコワ(ロシア)が4回転ルッツを跳ぶなどし、第1戦のスケートアメリカに続いて優勝。GPファイナル(12月、イタリア・トリノ)進出を決めた。

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今季初戦とは思えないほど、落ち着いた演技で宮原が表彰台に上がった。回転不足を取られたジャンプがあったものの、全てのジャンプを着氷。スピン、ステップで最高難度のレベル4を並べる安定感のある演技を披露し「自分の感覚で滑ることができた」と、充実した表情を浮かべた。

第2次世界大戦中のユダヤ人の大虐殺(ホロコースト)を扱った映画「シンドラーのリスト」の音楽を使ったフリー。「絶望の中でも諦めず、光を追い続ける人間の強い底力」を表現するために、オフの期間はあらゆる種類のダンスを学んだ。演技点は5項目のうち4項目で9点台をそろえ、SPに続いて全体1位の高評価を引き出した。

小学校低学年から指導を受けてきた浜田コーチに加え、今夏はカナダ・トロントに行きカナダ人のバーケル・コーチに師事。海外で練習することで自立心を鍛えた。「試合の時にどういう気持ちを持ってやればいいのか考えて演技ができた」と効果が出た。ファイナル進出に向けて、好発進となる2位。連戦となる第5戦ロシア杯(15~17日、モスクワ)に向けて「ファイナルに出られればうれしい。初めての連戦だけど次も自分らしく滑りたい」と意気込んだ。