五輪女王が苦しんでいる。平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)金メダリストのアリーナ・ザギトワ(17=ロシア)は66・84点の4位。17年11月のフランス大会以来、2年ぶりにSPで上位3人に入れなかった。

抜群の安定感を誇る冒頭の3回転に3回転ループをつけられないミス。後半の3回転フリップにつけることで巻き返そうとするが、1回転ループに終わって出来栄え点で大きくマイナスとなった。演技構成点の高さで技術点の伸び悩みをカバーはしたが、顔は曇った。「緊張はしてなかった。アドレナリンが足りてない感じだった」とミスを振り返った。

11月のフランス杯では、同門の後輩の16歳コストルナヤ(ロシア)にトップを譲り、19・94点の差がつく2位に甘んじた。この日のSPでも1つ前の滑走者がコストルナヤ、しかも世界最高得点の演技だった。影響を聞かれると「いえ、ないです」と即答したが、ロシアの若い力の急追に苦境に立つ。