ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で日本代表初のベスト8入りに貢献した、新潟市出身のプロップ稲垣啓太(29)の注目度が高まっている。選手としての技量は世界的に評価され、常に無表情な特徴を表現した「笑わない男」は今年の流行語大賞にノミネートされる人気ぶり。常に故郷新潟への感謝を忘れない人間性も愛される要因。20日、新潟市に凱旋(がいせん)した際に会見を開き、声援への感謝と今後の活躍を誓った。

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-あらためてW杯ベスト8について

稲垣 いまだに悔しいです。(準々決勝・南アフリカ戦で)負けた直後はあまり考えられなかったけど、準決勝で悔しさが増して、決勝を見てさらに。悔しさは一生消えないでしょうね。だからこそ、忘れずに4年後に持っていきたい。

-地元や、母校を訪れての印象は

稲垣 どこに行っても温かく迎えてもらいました。自分の力だけで成し遂げたベスト8ではないと。帰ったら、しっかりお礼しなければ、という気持ちになりました。

-15年W杯イングランド大会後の帰郷と比べて変化は

稲垣 より一層、温かく迎えてもらった感じです。今、ラグビーがブームといわれていますが、すぐに終わるようでは文化として根付かない。文化になるきっかけをつくりたいです。そのために選手として結果を残したい。

-前回は1次リーグ敗退、今回はベスト8。達成感を持っての帰郷か

稲垣 それはあまり感じていないです。ベスト8という目標は達成しましたが、そこで終わりではなく、すぐ次の目標設定がされる。それをクリアできなかった。満足したらプロスポーツ選手として終わり。常に成長するように取り組んでいきたいです。

-「笑わない男」。笑わない理由は

稲垣 試合中にヘラヘラするのが好きじゃないんです。弱い部分を見せたくない。戦いの場なので緩んだ表情を見せるのは違うかな、というのが僕の美学でもあります。(「笑わない男」が)流行語大賞に挙がっていますが、ふさわしいのは「ONE TEAM」です。全員でチームカルチャーとしてつくり上げたものですから。

-ラグビーを続ける原動力は

稲垣 自分のためです。自分のためにしっかり仕事をしたことが、最終的にチームの勝利に還元され、チームが勝つことによって、応援してくださるファンにも還元されて、というようにつながっていけば。

-今後の目標は

稲垣 1月からトップリーグが始まるので、そこで結果を残したいです。その先に日本代表という舞台がある。23年フランス大会までにどうやってピークを持っていくか。これからのプランニングが重要になります。【構成・斎藤慎一郎】

◆稲垣啓太(いながき・けいた)1990年(平2)6月2日、新潟市生まれ。新津二中では野球部に所属し、捕手。新潟工でラグビーを始める。3年連続で花園に出場し、高校日本代表に選ばれる。関東学院大に進み、4年で主将を務めた。13年にパナソニックに入社。トップリーグ新人王に輝く。14年11月に日本代表に初選出される。15年W杯イングランド大会は1次リーグ全4試合、19年同日本大会は全5試合、左プロップで出場。186センチ、118キロ。