社会人女子バスケットボールの強豪・秋田銀行レッドアローズに2人の新戦力が加入した。浅利千(18=湯沢翔北)は3ポイントを含むシュート力が武器。初めて同じチームでプレーすることになった実姉の愛(22=山形商)とのコンビにも注目だ。梅林由佳(22=松蔭大)も大学時代に4年連続全国出場を経験。今年2月の全日本社会人地域リーグチャンピオンシップで4連覇(前身の全日本実業団選手権含む)を果たしたチームは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で9月に延期になった地域リーグ開幕を信じ、準備を進める。

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浅利姉妹が5連覇への新ホットラインを築く。1日に入行を迎えた浅利千は「高校に入った時から秋田銀行に入りたかった。誇りです」と目を輝かせた。姉の存在もきっかけだったが、11年連続で全国選手権出場中の湯沢翔北高時代に、何度も練習試合で対戦した。「チームの雰囲気も良いし、レベルが高い。その中でバスケがしたかった。しかも身内がいるから緊張も緩和されるし、心強い。姉に支えとなってもらって全国優勝したい」。今後は仕事との両立も必要なだけに、プレー面以外の助言にも感謝する。

高3時には東北女王になったが、全国では結果が出なかった悔しさも晴らすつもりだ。昨季限りで全国大会MVPの星希望、成田麻沙美、矢上若菜の主力3人が引退。「ウイングのポジションが抜けたので、自分がレベルアップしてそこに入りたい」と1年目からのレギュラー獲得に挑む。「3ポイントが得意なので、パスをもらったら確実に決められる選手になりたい。ドリブル、アシストを含めて得意なところを見せていきたい」。身長164センチと小柄ながらアウトサイドから存在感を示す。

憧れの存在は東京五輪日本代表候補のJX-ENEOS林咲希(25)。「ポジションも一緒だし、3ポイントも入るし」と背中を追う。練習前にはOfficial髭男dismの曲を聴いて気持ちも高める。生まれ育った秋田市の地に戻り、新たなバスケ生活がスタートした。【鎌田直秀】

○…梅林は身長178センチの長身オールラウンダーだ。「背が大きいけれど、外から攻めることが出来るのが自分の特徴。中で体を張ることも出来ると思う」。大学時代に主将を務めた経験もあり、リーダーシップにも期待が集まる。「1人で頑張るのではなく、チーム全体の環境づくりの大切さを学びました」と、プレー内外で支える存在となる。

大学での全国大会出場はあるが「4連覇している日本一チームですし、全国優勝してみたい」と目標を掲げた。故郷の神奈川・厚木市が誇るシロコロホルモンは、B級グルメ日本一を決めるB-1グランプリで優勝し、殿堂入り。「秋田はあまり来たことがなかった。稲庭うどんはおいしかったですし、きりたんぽも食べたい」と、日本一の郷土料理も力にするつもりだ。大好きな温泉でもリラックス出来る東北の環境で、さらなる飛躍を遂げる。